No.9「箱膳 ~変わる食事のスタイル~」(歴史民俗資料館)
『歴史の小箱』では、当館に寄贈・寄託された資料の中から、オススメの1点を展示・紹介しています。(一定期間展示した後に収蔵庫に戻します)
第9回目は、箱膳(はこぜん)を展示・紹介しました。
箱膳:食器収納時
昭和20年から30年代頃を描いた映画の中で、ちゃぶ台のある茶の間のシーンを目にします。時にちゃぶ台は宙を舞い、怒りのアイテムとして登場することもあります。
ちゃぶ台が主流をなした大正時代より前の、江戸時代から明治時代は、専ら箱膳が使われました。
箱膳は、当時の食事のスタイルをよく表しています。家族の一人ひとりが自分の箱膳で食器を管理し、食事の際に、箱から出して使いました。
蓋を返して御膳の形にします。
箱膳を使う食事のようすは、今とはだいぶ異なっていたようです。食事の時間になると皆が集まってきて食べ始めます。食べ終わると食器に湯を注ぎ飲み干し、お漬物で拭いて、銘々が箱膳の中に食器を伏せて収納するというものです。
箱膳からちゃぶ台を囲む食事のスタイルに変わったのは、衛生面に気を使うようになったことや、大家族から小さな家族に変化していったことなど、いろいろな要因が考えられます。
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更新日:2023年10月17日