No.19「菓子屋さんの道具」(歴史民俗資料館)
『歴史の小箱』では、当館に寄贈・寄託された資料の中から、オススメの1点を展示・紹介しています。(一定期間展示した後に収蔵庫に戻します)
第19回目は、明治時代中期から戦後まで営業していた菓子屋「小松屋」で使用されていた、「菓子屋さんの道具」を展示・紹介しました。
毛呂山の「小松屋」さん
毛呂山町苦林では明治時代中頃から戦後にかけて、「小松屋」という菓子屋が営業していました。小松屋は初代当主が現在の越生町西和田の小松屋に生菓子の修行に行き、独立して毛呂山で開業したことから始まりました。当主の名前から通称「キヨッカシヤ」とも呼ばれ、その後4代にわたって主に和菓子をつくり、販売していました。
菓子作りの道具
菓子箱
販売用の菓子を入れて持ち運ぶための菓子箱です。フタの裏には「川角村 苦林 小松屋製菓所 小松屋」の墨書があります。



(左)銅鍋 (右)包丁
小豆を煮てあんこを作る時に使った銅鍋です。
包丁は、羊羹などの菓子を切る時に使用しました。


打菓子の型
ツバキの花の打菓子の型です。
打菓子はみじん粉(もち米を蒸して干し、粉にしたもの)と砂糖を混ぜ、型に詰めて押し固めて作りました。
2枚の板を重ね合わせて菓子を抜く型は「合わせ型」と呼ばれ、厚みのある大型の菓子を作るために用いられました。


菓子型
1枚の板で菓子を抜く型は「1枚型」と呼ばれ、茶席で使う干菓子のような小型で薄い菓子を作る際に使われました。
扱いやすいように羽子板のような持ち手がついているものもあり、同時に複数個の菓子を抜くことができました。

焼ゴテ
まんじゅうなどに焼き跡をつけるための焼ゴテです。コテを焼いて菓子の上にのせ、焼き跡をつけました。


ドロップの型
ドロップは、水で溶かした砂糖に水飴を加えて、煮つめてから着色料などを加えた後、型に入れて作りました。


(左)ハッカ菓子の型 (右)ベッコウ菓子の型
昭和初期に使用されたハッカ菓子の型とベッコウ菓子の型です。
ハッカ菓子は、砂糖を煮つめてからハッカを入れて型に流し込み、固めて作りました。
ベッコウ菓子の型は小松屋の4代目当主が、川越の菓子屋横丁の水戸屋で住み込みで修業をした時に、水戸屋からゆずり受けた型です。
ベッコウ菓子は水飴と砂糖をこの型に流し込んで作りました。


この記事に関するお問い合わせ先
歴史民俗資料館
〒350-0432
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更新日:2023年10月17日