No.15「毛呂醸造指導所と自家製醤油圧搾機」(歴史民俗資料館)

更新日:2023年10月17日

 『歴史の小箱』では、当館に寄贈・寄託された資料の中から、オススメの1点を展示・紹介しています。(一定期間展示した後に収蔵庫に戻します)

第15回目は、醤油を庶民の食卓に届けた「毛呂醸造指導所醤油搾り圧搾機」を展示・紹介しました。

  現在も毎年「毛呂山醤油作りサークル」が4月下旬に醤油仕込みを、12月中旬に醤油搾りの実演兼体験会を行っています。(自由に見学出来ます)

毛呂醸造指導所

 毛呂醸造指導所とは、毛呂山町毛呂本郷の吉野川周作氏が設立した、醤油を共同で醸造する一種の企業でした。
 吉野川氏は、当初、学校の代用教員をしていましたが、23歳で自家用味噌・醤油の改良普及を思い立ち、教員を辞め、野田醤油会社で7年程醸造技術を学び、技師となり、30歳頃(大正12年頃)、毛呂本郷に毛呂醸造指導所を開きました。
この指導所では、もっぱら農村に自家用醤油を普及するため、吉野川氏が開発した「吉野川式自家用醤油」という、独自の醤油製造法を以って、多くの醤油搾り(=醤油作り)職人を育成・輩出しました。また、戦前は吉野川氏自らも埼玉県農務課の講師として、十数年間県内の指導にあたり、さらに岐阜県、富山県、新潟県でも講師を依頼されて指導するなど、醤油を庶民の食卓に届けた大変な功労者だったのです。毛呂山に醤油搾りの職人が多くいたのは、毛呂醸造指導所が数多くの弟子を輩出したからです。
 (古写真や図解の原本は吉野川志津江氏より提供)

5列に並んだ毛呂醸造指導所の職員の白黒の集合写真

毛呂醸造指導所の役員と指導者
(写真2列目中央、左から6人目が毛呂醸造指導所を設立した吉野川周作氏です。)

男性が建物の前に置いた醤油圧搾機の右側に樽を置いて醤油を絞り出している様子の白黒写真

醤油圧搾機を使った醤油搾りのようす

自家用醤油搾り圧搾機と図解

木製の四角形の醤油圧搾機の右側に水色の容器を置いて、醤油を絞り出している現在の写真

醤油圧搾機(通称 フネ)
(毛呂山醤油づくりサークルによって、技術の伝承が行われています。)

醤油「自家製圧搾機」の図解

醤油圧搾機図解

この記事に関するお問い合わせ先

歴史民俗資料館

〒350-0432
埼玉県入間郡毛呂山町大字大類535番地1

電話番号:049-295-8282
ファクス番号:049-295-8297

お問い合わせはこちら

みなさまのご意見をお聞かせください
このページの内容は分かりやすかったですか
このページは見つけやすかったですか