No.24「端午の節句人形」(歴史民俗資料館)

更新日:2023年10月17日

 『歴史の小箱』では、当館に寄贈・寄託された資料の中から、オススメの1点を展示・紹介しています。(一定期間展示した後に収蔵庫に戻します)

男児を病気や災難から守る意味を込めて、日本では端午の節句に人形を飾る風習があるため第24回目は、現代では見かけることのなくなった貴重な「端午の節句人形」を展示・紹介しました。

端午の節句

5月5日の端午の節句は、五月節句・菖蒲(しょうぶ)の節句などとも呼ばれ、男の子の節句として祝われてきました。特に長男の初節句には、嫁の実家から幟(のぼり)や鍾馗(しょうき)などの武者絵を描いた絵幟、武者人形、吹流しなどが贈られたものです。戦後は鯉幟を贈ることが多くなったといいます。節句人形や武者絵の掛け軸も親せきなどからお祝いに贈られたようです。

また菖蒲は、その強い香りから古代中国では邪気払いに使用されていました。日本では、平安時代に端午の節句を祝う宮中行事に用いられていましたが、中世になると、さわやかな香りと刀のようなまっすぐな葉を持つ菖蒲を湯に浮かべる「菖蒲湯」の習慣が、男児の成長を願う行事として武士の間に広まりました。

節句人形「神功皇后・武内宿禰・応神天皇」

寄贈者が誕生して初節句に贈られたものです。神功皇后(じんぐうこうごう)が懐妊のまま朝鮮半島に遠征し、帰国後に応神天皇(おうじんてんのう)を出産した説話を人形にしたもので、赤ん坊を抱いているのは臣下の武内宿禰(たけのうちのすくね)です。ともに武神として信仰され、男児の成長のお祝いに飾られておりました。

神功皇后と武内宿禰に抱かれている応神天皇

神功皇后と武内宿禰に抱かれている応神天皇

節句人形「幟を持つ鍾馗」

鍾馗は、日本では疱瘡(ほうそう)除けや学業成就(じょうじゅ)に効力があるとして、端午の節句に絵や人形が奉納されたりしていました。また、鍾馗には魔よけの意味もあるとされています。

勇ましく幟を持つ鍾馗

勇ましく幟を持つ鍾馗

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