ミニ展示『毛呂山町葛貫の桜箕』(歴史民俗資料館)

更新日:2021年12月23日

毛呂山町歴史民俗資料館では、かつて毛呂山町葛貫の特産品であった「桜箕」 を展示しました。

毛呂山町葛貫の桜箕

山桜の皮と篠竹で編まれたU字状の桜箕の写真

葛貫の桜箕

 「箕」は穀物をより分けたり、持ち運ぶときなどに使う農具です。
 毛呂山町の葛貫地区では、江戸時代末期から昭和20年代頃まで、山桜の皮と篠竹を編み込む桜箕づくりが盛んにおこなわれていました。
 現在は、葛貫で桜箕づくりの技術を受け継ぐ人はいなくなってしまいました。
 本展を通じて 、かつて当地域で育まれた伝統技術に触れ、少しでも桜箕に興味を持っていただければ幸いです。

 (本展示は、平成25年度博物館学芸員実習生の展示実習によるものです)

箕のいろいろな使い方

白い割烹着を着た年配の女性が箕を両手で持って前かがみになり小豆のより分けをしている様子の写真

小豆のより分け

 箕をあおって小豆と殻をより分けています。

青いジャンパーを着た男性が箕を両手で持って一斗桶に注ぎ入れている様子の写真

一斗桶に米を入れる

 箕の口をたわめて計量桶に米を注いでいます。

年配の男性が箕を脇に抱えて、肥料を巻いている昔の白黒写真

肥料をまく

 使い続けて傷んできた箕は、畑で肥料をまく時の堆肥入れに使いました。

木を組み合わせて作られた箱箕を地面に置いて男性が土をかき集めている様子の写真

砂利をかき集める

 土や砂利をかき集める時には、木を板を組み合わせて作る箱箕が使われました。

桜箕づくりの様子

男性が梯子に昇って桜の木の茶色の皮をはいでいる様子の写真

材料の採集

 桜箕には藤蔓(ふじづる)、篠竹、山桜の皮、楮(こうぞ)の皮、エゴノキなどが使われています。写真は、桜の皮を取っているところです。

細く割いた桜の皮を、交互に編み込んでいる手元の写真

箕を編む

 細く割いた桜の皮を、篠竹で作ったヒゴに編みこんでいきます。

編みあがった箕の内側から針を刺してフトコロを作っている様子の写真

フトコロをつくる

フトコロを起こして、内側から針を刺して縫います。

箕のフチの部分のはみ出た場所をフチギを当て巻き付けている様子の写真

フチをつくる

 はみ出た部分を折り曲げながら、エゴノキで作ったフチギをあて、弧に沿って巻きつけて完成です。

展示期間

第7回特別展 魂のうつわ・箕(み)のチラシ

2013年8月から2014年7月下旬まで

葛貫の桜箕について詳しく知りたい人は毛呂山町歴史民俗資料館第7回特別展図録「魂のうつわ・箕-毛呂山町葛貫の桜箕とその周辺-」
(現在歴史民俗資料館にて販売中)
広報もろやま平成25年9月号9頁もご覧ください。

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この記事に関するお問い合わせ先

歴史民俗資料館

〒350-0432
埼玉県入間郡毛呂山町大字大類535番地1

電話番号:049-295-8282
ファクス番号:049-295-8297

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