鎌倉街道と中世苦林宿
鎌倉街道と宿
鎌倉街道沿いには、河川の渡河地点など要所に「宿」が存在していたことが、確認されています。永徳2年(1382)の熊野那智大社文書に、「苦林宿」と記されており、「苦林宿」こそ毛呂山町の鎌倉街道越辺川渡河地点に広がる堂山下遺跡であると考えられています。
苦林宿
堂山下遺跡は、鎌倉時代から室町時代を中心とした集落遺跡です。溝で区画された屋敷地や井戸の跡などが多数発見されました。
発掘調査によって、土釜や内耳鍋などの在地産の器に加え、外国から伝来した陶磁器、東海地方で焼かれた常滑産の大甕なども出土しており、鎌倉街道が物流の幹線道路であり、渡河地点の宿場が物資の集積地になっていたことがわかります。
堂山下遺跡と苦林宿のように、考古学の成果と文献資料の調査成果から、地域史が解き明かされる例は全国的にも珍しく、崇徳寺跡や大類館氏館跡等の周辺の中世遺跡群と合わせて、歴史的景観を復元できる空間として注目されています。

堂山下遺跡遺構の分布のようす

石組みの井戸跡
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更新日:2021年12月23日