○毛呂山町太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例

令和5年3月16日

条例第6号

(目的)

第1条 この条例は、太陽光発電設備の適正な設置、維持管理及び撤去等に関して必要な事項を定めることにより、町民の生命及び財産の保護並びに良好な環境及び景観の保全に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 太陽光発電設備 再生可能エネルギー発電設備のうち、太陽光を電気に変換する設備及びその附属設備をいう。

(2) 太陽光発電事業 太陽光発電設備を利用し発電を行う事業(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋根又は屋上に太陽光発電設備を設置するものを除く。)で、出力の合計が10キロワット以上のもの(同一又は共同の関係にあると認められる設置者が、隣接した場所に設置する太陽光発電設備の合算した出力が10キロワット以上となる場合を含む。)をいう。

(3) 事業者 太陽光発電事業を行う者をいう。

(4) 事業区域 太陽光発電事業の用に供する土地(継続的又は一体的に事業を行う土地を含む。)をいう。

(5) 土地所有者等 事業区域に係る土地所有者、占有者又は管理者をいう。

(6) 地域住民等 次に掲げる者をいう。

 事業区域の境界から50メートル以内の区域の土地又は当該土地に存する建築物の所有者、占有者又は管理者

 事業区域を含む行政区(事業区域が行政区の境界付近の場合は、隣接する行政区を含む。)の区長

 太陽光発電事業に伴って生活環境等に一定の影響を受けるおそれがあると町長が認める者

(町の責務)

第3条 町は、第1条の目的を達成するため、この条例の適正かつ円滑な運用を図るよう必要な措置を講じなければならない。

(土地所有者等の責務)

第4条 土地所有者等は、第1条の目的を達成するため、事業区域を適正に管理しなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、太陽光発電事業の実施に当たり、関係法令及びこの条例を遵守し、雨水等による土砂等の流出又は水害等の災害を防止し、生活環境、景観その他自然環境に十分配慮するとともに、町及び地域住民等と良好な関係を保たなければならない。

2 事業者は、太陽光発電事業の実施に係る事故が発生したとき又は苦情若しくは紛争が生じたときは、直ちに必要な措置を講じるとともに、誠意をもってその解決に当たらなければならない。

(町民の責務)

第6条 町民は、第1条の目的を達成するため、町の施策及びこの条例に定める手続の実施に協力するよう努めなければならない。

(対象地域)

第7条 この条例の対象地域は、町内全域とする。

(太陽光発電設備の設置制限)

第8条 事業者は、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第7条第1項の規定により指定された土砂災害警戒区域及び同法第9条第1項の規定により指定された土砂災害特別警戒区域において、太陽光発電設備を設置してはならない。

2 事業者は、その他関係法令を遵守して、太陽光発電設備を設置しなければならない。

(事前協議)

第9条 事業者は、第11条第1項の規定による届出をしようとするときは、太陽光発電事業に関する計画に規則で定める図書等(以下「資料等」という。)を添付し、町長と協議しなければならない。

2 前項の規定による協議書の作成は、規則で定める資格を有する者が行わなければならない。

3 町長は、第1項の規定による協議を実施したときは、事業者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。

(説明会等の開催)

第10条 事業者は、前条第1項の規定による協議が終了し、次条第1項の規定による届出をしようとするときは、地域住民等に対し、当該事業計画についての周知及び事業計画の説明会(以下「説明会等」という。)を行わなければならない。

2 事業者は、地域住民等に対する説明会等を実施しようとするときは、開催日の30日前までにその旨を町長に報告しなければならない。

3 事業者は、事業計画の内容について地域住民等の理解が得られるよう努めなければならない。

4 地域住民等は、説明会等を実施した事業者に対し、事業計画について意見を申し出ることができるとともに、災害の防止並びに良好な環境及び景観の保全に関する必要な事項について、事業者に対し、事業区域を含む行政区(事業区域が行政区の境界付近の場合は、隣接する行政区を含む。)と協定の締結を求めることができる。

5 事業者は、前項の規定による地域住民等からの意見に対し誠意をもって対応するとともに、協定の締結を求められたときは、協定を締結しなければならない。

6 事業者は、前項の規定により協定を締結したときは、当該協定書の写しを町長に提出しなければならない。

7 事業者は、説明会等を実施したときは、その結果を町長に報告しなければならない。

(事業計画の届出)

第11条 事業者は、太陽光発電事業を実施しようとするときは、当該設置工事に着手する日の60日前までに、前条第1項の説明会等の状況を記録した書類及び資料等を添付し、事業計画届出書を町長に届け出なければならない。

2 事業者は、前項の規定により届け出た事項に変更が生じたときは、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。

3 前項の規定により事業計画の変更を届け出た場合、第9条及び第10条の規定について準用する。

4 町長は、届出を受けた事業が他の市町村の区域の生活環境等に影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、関係する行政機関の長に対し、その旨を通知し、意見を求めることができる。

(適正な設置)

第12条 事業者は、太陽光発電設備について、規則で定めるところにより適正に設置をしなければならない。

(事業の着手)

第13条 事業者は、太陽光発電事業に着手しようとするときは、その旨を町長に届け出なければならない。

(工事完了等の届出)

第14条 事業者は、前条の届出に係る設置が完了したとき、又は同条により届け出た工事を中止したときは、完了し、又は中止した日から起算して20日以内に町長に届け出なければならない。

2 町長は、前項の規定による完了の届出があったときは、届出内容との適合について検査し、適合していないと認めたときは、事業者に必要な改善を要求することができる。

(廃止の届出)

第15条 事業者は、太陽光発電事業を廃止しようとするときは、廃止しようとする日の30日前までに、その旨を町長に届け出なければならない。

2 事業者は、前項で届け出た太陽光発電設備を廃止するときは、当該設備の解体、撤去、廃棄その他必要な措置を速やかに講じなければならない。

3 事業者は、前項に定める措置が完了したときは、完了した日から起算して30日以内に、その旨を町長に届け出なければならない。

(地位の承継)

第16条 事業者から事業譲渡又は相続、合併若しくは分割等によりその地位を承継した者は、承継した日から起算して10日以内に、その旨を町長に届け出なければならない。

2 前項の規定により地位を承継した者は、この条例を遵守しなければならない。

(維持管理)

第17条 事業者は、太陽光発電事業を実施する間、災害の防止及び生活環境等の保全に支障が生じないよう、太陽光発電設備及び事業区域内を常時安全かつ良好な状態になるよう維持管理しなければならない。

2 事業者は、災害等により太陽光発電設備が破損し、第三者に被害をもたらすおそれがあるときは、遅滞なく状況の確認を行い、必要な措置を講じなければならない。この場合において、事業者は、被害状況及び対応状況について速やかに町長に報告しなければならない。

(標識の掲示)

第18条 事業者は、土地の開発又は造成工事(土地の開発又は造成工事を行わないときは太陽光発電設備の設置工事)の着工日から、太陽光発電設備を撤去するまでの間、事業区域内の公衆の見やすい場所に規則で定める標識を掲示しなければならない。

2 事業者は、前項で定める標識の内容に変更が生じたときは、速やかに変更後の標識を掲示しなければならない。

3 事業者は、第1項の規定により標識を掲示したとき又は前項の規定により標識の掲示内容を変更したときは、その旨を町長に届け出なければならない。

(報告の徴取)

第19条 町長は、この条例の施行に関し必要があると認めるときは、事業者に対し、太陽光発電事業に関する報告又は資料の提出を求めることができる。

(立入調査等)

第20条 町長は、この条例の施行に関し必要な限度において、職員に事業者の事務所、事業所若しくは事業区域に立ち入り、必要な調査をさせ、又は関係者に質問させることができる。

2 前項の規定による立入調査を行う職員は、身分証を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査の権限は、これを犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(指導、助言及び勧告)

第21条 町長は、必要があると認めるときは、事業者に対して、必要な措置を講ずるよう指導又は助言を行うことができる。

2 町長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、事業者に対して、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(1) 事業者が第10条第5項の規定による協定の締結をしなかったとき。

(2) 事業者が第10条第6項の規定による当該協定書の写しを提出しなかったとき。

(3) 事業者が第11条第1項又は第2項の規定による届出等について、虚偽の届出等をしたとき。

(4) 事業者が第11条第1項又は第2項の規定による届出等をする前に設置工事に着手したとき。

(5) 事業者が第14条第1項第15条第1項若しくは第3項又は第16条第1項の規定による届出を行わず、又は虚偽の届出をしたとき。

(6) 事業者が第14条第2項に規定する必要な改善の要求に従わなかったとき。

(7) 事業者が第15条第2項に規定する措置を講じなかったとき。

(8) 事業者が第16条第2項の規定を遵守しなかったとき。

(9) 事業者が第17条に規定する適正な維持管理を怠り、事業区域外に被害を与えたとき又は被害を与えるおそれがあるとき。

(10) 事業者が第19条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をし、前条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

(11) 事業者が前項の指導又は助言に正当な理由なく従わなかったとき。

3 事業者は、前2項の規定による指導、助言又は勧告を受けたときは、その処理の状況を速やかに町長に報告しなければならない。

(公表)

第22条 町長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が正当な理由なく勧告に従わない場合は、事業者の氏名及び住所(法人にあっては、主たる事務所の所在地、名称及び代表者の氏名)並びに当該勧告の内容を公表することができる。

2 町長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ事業者に対し、その理由を通知し、弁明の機会を与えなければならない。

(国又は県への報告)

第23条 町長は、前条第1項の規定による公表をしたときは、国又は県へ報告することができる。

(事業者が所在不明になった場合等における特例)

第24条 土地所有者等は、事業者が所在不明となった場合又はその組織を解散した場合においては、当該土地所有者等が事業者と異なる者である場合に限り、当該土地所有者等を事業者とみなして、第15条及び第17条から第23条までの規定を適用する。

(委任)

第25条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に太陽光発電事業を行っている事業者又は毛呂山町太陽光発電施設の設置に関するガイドラインの届出がなされている太陽光発電施設を設置しようとする事業者については、第15条第16条第17条及び第19条から第23条までの規定を除き、適用しない。

毛呂山町太陽光発電設備の適正な設置等に関する条例

令和5年3月16日 条例第6号

(令和5年4月1日施行)