一点ギャラリー『歴史の小箱』 No.16 端午の節供の掛軸「正書金太」

『歴史の小箱』では、当館に寄贈・寄託された資料の中から、オススメの一点を展示しています。
 

第16回目は、大正時代、端午の節供に飾られた「金太郎」を主題にした掛軸を紹介します。

 

端午の節供の掛軸「正書金太」

当時、男女ともに誕生して初めて迎える節供を初節供といい、盛大に祝いました。
初節供を迎える子供には親戚などから節供の飾りがお祝いに贈られ、男児のお祝いである端午の節供では五月人形のような人形類のほか掛軸類も盛んに贈られました。

題材は武勇に優れた武将や(鍾馗(悪霊退治の中国の神)などの勇ましい題材が好まれました。

本資料は「金太郎」を主題とし、上部には出陣の飾りを、下部には結婚のシンボルを描いて子供の成長と子孫繁栄を願っていたのでしょう。
また、中央部の金太郎が動物の相撲の行司をとっている姿や源頼光のいでたちなどが月岡芳年(つきおかよしとし、1839~1892)の浮世絵によく似ていますので、参考にしたのではないかと思われます。
 

「金太郎」とは

日本の昔話で、江戸初期より桃太郎と並び子供の姿の英雄として親しまれました。

金太郎は足柄山(神奈川県)の山姥から生まれた子で、山中で生まれ育ち、子供のときから大変な力持ちとされていました。源頼光に仕え、頼光の四天王の一人である坂田(酒田)金時(公時)の子供の頃の名前とされています。金太郎の名は江戸中期ごろからのようです。

各地にあった山の神の山中での出産物語の原形ともいわれています。

掛軸の図解

本資料は上・中・下の3つに本紙が分かれており、別の主題が描かれています。

掛軸の上部

掛軸の中央部  

掛軸の上部:鎧兜に馬印、軍配、太鼓、矢など出陣の飾りを一揃え描いています

掛軸の中央部:金太郎が動物たちの相撲の行司をしています。そばには源頼光も描かれています。  

 

掛軸の下部

掛軸の下部:松と宝船、伊勢海老と紅白の鏡餅、その前に飾り付長柄銚子と盃の三段重ねが置かれており、婚姻を表しているようです。

 


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