一点ギャラリー『歴史の小箱』 NO.5屋根やの道具

 『歴史の小箱』では、当館に寄贈・寄託された資料の中から、オススメの一点を展示しています。

 第5回目は、茅葺き屋根の職人「屋根や」が使っていた道具を紹介します。

 

茅葺屋根の職人「屋根や」の仕事

  屋根葺きは、最初に屋根の傾斜を見ながら茅や麦カラを葺いていき、「コテ」と呼ばれる道具で膨らんだところを叩いたり、押して 形を整えていきます。そして、最後に剪定鋏に似た「屋根ばさみ」ではみ出た部分をきれいに刈り揃えます。

 屋根葺きが行われるのは、主に刈り入れられた茅や麦が乾燥する冬場でした。職人たちは、新居の屋根を作る時や屋根全面を葺き替える「ソードッカエ」の時は4人から6人で仕事にかかりました。しかし、傷んだ箇所の修理など限られた範囲を葺く時は2人で作業を行いました。

 

屋根やの仕事風景

屋根やの清水新作さん

 

  毛呂山町川角の屋根葺き職人清水新作さんが、屋根ばさみではみ出た箇所を刈り揃えている様子を写した写真です。

 毛呂山には、かつて屋根に茅や麦カラを葺き、傷みを直す職人「屋根や」が、多数いました。 しかし、昭和40年代になると新しい形の家が次々と立ち並ぶようになり、麦カラなどの草葺き屋根は姿を消していきました。清水さんをはじめ、多くの屋根やの職人たちもこの時期に廃業してしまい、今日毛呂山でその職人技を目にすることはできません。

 

 屋根ばさみ

屋根ばさみ

 

 屋根ばさみは、屋根に葺いた麦カラを刈り揃えて屋根の形を整えるために使う道具です。

 職人達は、自分のクセに合わせて刃を留めている鋲を叩いて刃の噛み合わせ具合「あそび」を調整したり、柄を握りやすい木に付け替えるなどして、自分の手に馴染む道具へと仕上げていきました。

 

コテ

コテ

コテの先の形状

さまざまな形をしたコテの先

柄装着の様子

斜めに装着される柄

 

 屋根やが使う「コテ」は、葺いた茅や麦カラを屋根の勾配に合わせて叩いて押し込むために使う道具です。

 毛呂山の職人達は「コテ」と呼んでいますが、埼玉県内では「ガンギ」「ガンギボウ」「ガギ」「ガンケ」「ツチ」などさまざまな呼び方があります。

 コテは職人が自分で作る道具で、職人によってそれぞれ柄の長さや先端につける板の形が異なります。柄にはヒノキを、先端につける板にはケヤキが多く用いられました。使い込まれたコテの先は、木質の柔らかい部分が減っていたり、ノコギリで付けた横線の切込みが磨り減っています。

 


お問い合わせ 歴史民俗資料館
代表:049-295-8282   fax:049-295-8297
mail: rekisi@town.moroyama.lg.jp

ページのトップへ


トップのページへ戻る