~子どもたちの家庭での学習のために~ 学習の動機と機能の発動(基礎学習の秘密)

                                            平成22年 8 月25日
                                            埼玉県 毛呂山町 情報推進室
 
  子どもたちの基礎学力の向上、それは親たちにとって、健康に明るく育って欲しい願いと同様、切実です。 子どもたちに基礎学力がしっかり身についている、そうでなければ社会の荒波に向かい、独り立ちしていくことができません。 まことに大切な基礎学力ですが、私たちの社会(家庭や地域)は、子どもたちが親たちとともに基礎学力を育む仕組み、それを欠いてきました。

勉強はつらい


 親たちは、子どもたちが基礎学習に費やす家庭での時間を、ほとんど共有しません。
 親たちは、「子どもは勉強が仕事」といい、しかし「忙しいから面倒は見られない」といいます。
 親たちは、子どもたちの勉強のためなら金銭を惜しみません。なのに、みずからの時間を割くことはごく少ないのです。
 親たちは、「つらいもの」を子どもたちに押しつけることで子どもたちとの良好な関係を壊したくない、その心理にあります。
 親たちは、子どもたちに対して自信を持って臨めません。
 ですから、子どもたちとの関係を悪くしないように学校に任せる。お金を出して塾や家庭教師に任せる。それでダメなら、あきらめる。
 中学生までの学習(義務教育)は、良き社会人としての充実をめざし子どもたちが旅立つ、それに必要な基盤を培います。
 だとすれば親たちは、すでに社会の一員となり人の親となった立場で、再度みずからの学力を確認し子どもたちを支援することに、何の不都合もないと思えます。
 しかし、子どもたちの基礎学習に対してほとんどの親たちは、圧力をかけたとしても、関わろうとはしません。
 子どもたちは子どもたちで、親たちに張りつかれ口うるさく勉強を強制されるのはたまらず、勉強について触れて欲しくありません。親たちの期待に応えたい気持ちではあっても、それに応える自信が有りません。
 子どもにとっても親にとっても勉強は「つらいもの」で、基礎学習は、両者(あるいは三世代)の間の、埋めがたい大きなすき間になっています。
 それほど勉強は、苦しみばかりが大きく、実りが小さいのです。

学習機能の不発


 なぜ、勉強は苦しみばかりが大きく、実りが小さいのでしょうか。
 基礎学習が子どもたちと親たちの間に作る埋めがたいすき間、それを克服する方法はないのでしょうか。
 子どもたちの成長は、親たちの喜びです。いいえ、親たちが喜ぶから子どもたちが成長する、そう表現することができます。子どもたちの成長の動機、それは親たちの喜びの中にあり、親たちの喜びが、子どもたちを成長へ向
かわせます。
 つまり、子どもたちの学習意欲の源泉、学習への動機付けは、親たちや社会の存在です。子どもたちは、基礎学習に取り組むべき必要を、親たちや社会の表情からひしひしと感じています。
 それなのに子どもたちは、先生がそばにいてくれないと学習のスイッチが入らず、認知、統合、判断、記憶と続く学習のための一連の“機能”が、発動しません。
 学習のスイッチが入らないまま行う学習、それは子どもたちの学習の本来の姿ではなく、いわば「自分を停止させたまま(自分が自分でないまま)でいる行為」です。そのため子どもたちは、自分を停止させている空虚さと苛立たしさの中に自分を留め置く、それをみずからに強いて勉める学習に意義が感じられず、返上したいのです。

学習機能の発動


 学習の“動機”が充分に有りながら学習の“機能”が発動しない、それはなぜでしょうか。
 しかし、子どもたちの学習がいつでもそういうものかといえば、そうではありません。
 たとえば、子どもたちにはさまざまな学習があります。
 川遊び、木登り、鬼ごっこ、ままごとなど、子どもたちは遊びの中でも、これからを生き抜いていくためのさまざまな知識やルール、判断力や身のこなしなど、ぐんぐん身に着けます。
 それらの、子どもたちが全身で体験的に学び取るような学習において、子どもたちは「つらい」と感じるどころか、ときに時間の経過を忘れて夢中になり、日々に成長を遂げます。
 しかし、それが、知識の詰め込みや論理的な理解が必要な教科の問題になると、状況が一変します。
  両者の違いはどこにあり、どうすれば解決するのでしょうか。

私たちの提言


 私たちは、文字による学習に問題があると考えます。
 そして、解決の方法として、学習をアニメーション化して視覚効果を与え、これにより人々の学習機能の活性を促し発動させることを提唱します。
 簡単に言えば、「人は、動くもの変化するものに対しては、敏感に反応することができる。従って、学習テーマを映像化し適切な動きを付与すれば、人々の集中力・注意力が引き出され、認知、統合、判断、記憶と続く一連の機能が容易に発動し、円滑な学習に導くことができる」としています。
 学習とは、ものごとの変化に対する認知、統合、判断、記憶の、生命活動の最も基本的な発動であって、学習が成立するためにはまず「動き」「変化」の存在が前提です。
 教科の学習において「活字は動かない」、そのことが学習を困難にする最大の要因と捉えます。

時代の転換


 子どもたちの学習は、かつての“体験中心”から“知識中心”へ、「動くものから学ぶ学習」(体験)が「動かないものから学ぶ学習」(活字)へ、移りました。そのため、元来動かないものから学習する能力がほとんどない私たちは、退屈になり眠くなり頭に入らず、空しさと苛立たしさに、学習を「つらいもの」と受け止めます。
 それでも膨大な学習に取り組まねばならず、活字を何度も読み上げたり、書き写したり、下線を引いたり、隠して思い出したり、無理にも活字の世界に動きや変化を与えて学習効果を引き出そうと、工夫します。
 それが、学校の授業を離れて子どもたちが独りで学ぶ場面での、勉強の工夫です。
 そして、高速大容量通信、ブロードバンド活用の時代です。
 どの家庭にも高品位の大画面を有するテレビがあり、DVDが整い、さらにはパソコンで簡単にアニメーションが作れます。
 活字で提示されてきた学習課題をアニメーション化し、「動かないものを使って学ぶ学習」を「動くものを使って学ぶ学習」に、置き換えることができます。

指導者の導き


  文字や文章が、文字を読めない人々に向かって、自身を説明する。そんなことは、起こりません。
 文字の意味を学び、読み方を学ぶ。文章は、それらの基礎学習を終えた人々に対してだけ、“文章”として意味を持ちます。
 人々は、身につけた膨大な知識で文章を読み解き、書かれた意味を理解して、著者とイメージを共有します。
 それは、変化に触れて自動的に発動する学習機能の発現ではなく、それらの機能を利用して行われる訓練、それを重ね組み合わせることで得られた“より高次な能力”です。
 文章を読み解き、書き記す。その能力を私たちが養うには、文字の意味、読み方、書き方、さらには文章の決まりや約束事について、段階を踏んで、ひとつずつ、時間をかけて、親身に、教えを授けてもらう必要があります。
 それが基礎学習であり、どのように優秀な子どもたちであっても、動かない活字を相手にただ一人、誰からの手ほどきもなく、これを会得することはできません。
 また、指導者による適切な導きや助言が、どれほど学習効率の向上に寄与するか、計り知れません。


先生方のパフォーマンス


 印刷された文字は動きません。動かないものに対して人間は、反応することができません。
 活字は自分からは動きません。動いてくれませんから指導者である先生方は、自分で動かしています。
 先生方は一字一字、黒板に大きく板書して順序良く動きを与え、指差しを行いながら大きな声で読み上げます。
 先生方は、子どもたちの学習への集中を引き出すために書いたり消したり、身振り手振りを交えて子どもたちの興味を引きつけ、集中が途切れないように子どもたちとのやり取りの中で授業を進めます。
 授業の主導権は先生方にあります。先生方の動き、先生方のパフォーマンスが、子どもたちを引っ張ります。
 教科書の活字は微動だにせず、動きません。活字は、そのままでは子供たちにとって何の意味もなく、“なきに等しい”ものです。
 しかし、先生方は、教科書が意味するところを読み書きも含め、身振り手振り、発語や表情、それらを総動員して表現し、子どもたちを学習機能の発動に導き、成果を与えます。
 この作業は、莫大なエネルギーの集中が必要で、さらには授業を進める手順や技術への習熟も、欠かせません。
 授業の主役は、先生方のパフォーマンスです。
 教科書(動かない文字)は、先生方のパフォーマンスで与えられる子どもたちの学習理解、その理解の力によってこそ、子どもたちにとって“意味のあるもの”になります。

パフォーマンスの代替とサポーター


 先生方の、周到な準備と莫大なエネルギーの集中を必要とする動きの部分(パフォーマンスの部分)、そのエッセンスをできる限りアニメーションに肩代わりしてもらう。
 そして、親たちには、すでに基礎学習を終えた良き先輩、子どもたちの学習に励ましと意欲を与える補助者として、サポートをしていただく。
 それによって、これまで学校や塾や家庭教師でなければ難しかった基礎学習の反復・展開・発展を、家庭で行えるようにします。
 アニメーションによるパフォーマンス、それは先生方のパフォーマンスに比べ、まったく自在性を欠いています。しかし、親という大先輩のサポート(さりげない助言などの関与)は、そのマイナスを大きく補います。
 もちろん、先生方のパフォーマンスは学級40人の子どもたちに一度に向けられるため、磨き抜かれたプロフェッショナルな、力強い自信にあふれたものであることが求められます。
 親たちに、それをまねることはできません。また、家庭には、級友の存在がありません。
しかし、パフォーマンス部分をアニメーションが担当し、級友の代わりは親たちが経験豊富なサポーターとして務めます。
 この組み合わせなら、先生方のパフォーマンスが展開される教室の授業、それをフォローする学習が、家庭から始められます。
 基礎学習の習得の秘訣は“繰り返し”にあり、繰り返しこそ、アニメーションの最も得意とするところです。

家庭の教室


 親たちは、子どもたちの基礎学習に大きな関心を寄せています。しかし、子どもたちの基礎学習に親たちが直接関与することは、困難です。
 先生方が授業で発揮するパフォーマンスには、周到な準備と莫大なエネルギーの集中が必要だからです。
 先生方さえ、学校の時間割でのパフォーマンスに消耗し、同様のパフォーマンスを家庭において、自分の子どもたちに向けて展開する余力を持ちません。
 周到な準備と莫大なエネルギーの集中を要するパフォーマンス、それはアニメーションが肩代わりし、さらに子どもたちの級友の代わりは、基礎学習の先輩である親たちがサポートの役割を担う。
 こうして、教室とも違った効果を上げる学習の場が、家庭内に成立します。

教育の改革


 このように、各家庭が子どもたちの基礎学習に主体的に関わり、先生方への負荷が少しでも軽減されると、先生方の学級経営は大きく変わります。
 基礎学習について、家庭でできないすべてを学校に期待する親たちのあり方、その要求の過大を改めない限り先生方は、正直な意見を表明する機会をほとんどの場面で失います。一学級40人の子どもたちの、それぞれの家庭の矛盾(子どもたちと親たちの間の埋めがたいすき間)を一身に負わされ、先生方の権威は消滅しています。
 基礎学習において、各家庭でできないことは先生方にとってもおのずから限界があって、そもそも先生方も家庭では一般の親たちと同様、さほど役に立つことができません。
 基礎学習における責任を、もっぱら先生方に求めるのではなく、元々親たち(家庭)も同等以上に多くを担うべきであった。当然であるのに放置されてきたその道理、そこに立ち返る転換が、教育改革のスタートです。
 これまでは、「勉強はつらい」それが当たり前とされ、子どもたちも親たちもそれをそのまま受け入れるしかなく、子どもたちの基礎学習に対する親たちの不満は、先生方に向けられる以外に行き場のないものでした。
 先生は児童40人に対して一人で、学校にしかいません。動かない活字から、独力で基礎学習をものにできる子どもたちはなく、学習の範囲は広大です。
 しかし、ICTの活用では、先生方のパフォーマンスの部分を家庭内のアニメーションが再現し、親たちがサポーターとなって、子どもたちとともに学習を進めます。

遊びと学び


 子どもたちの、遊びの中で夢中になって体験し学んでいく姿。それは、決して子どもたちだけのものではありません。大人たちも趣味や仕事に夢中になり、時を忘れて学ぶことがあります。
 「学習だからつらい」は、違います。
 学習であっても、学習の動機が与えられ、人間の生理としての学習機能が発動すれば、学びもまた楽しいのです。

伝える責務


 身近な、もっとも大切な人がサポーター。だからこそ、一つの学びを乗り越えるたびに、共に心から喜びを分かち合うことができる。両者のその関係は、どれほど楽しく、幸せでしょう。
 祖父母と孫たちを考えましょう。
 祖父母にとって孫たちの存在は、みずからのすべてを引き継がせてやりたい愛おしさの中にあります。経験も知恵も、すべてを孫たちの前途のために伝えてやりたいと望みます。
 しかし、祖父母には、一つひとつを伝えるパフォーマンスの、余力がありません。
 孫たちに対して、いつまでもどこまでもそばにいてやりたい思いではあっても、それを与えるパワーの残量が小さくなっています。
 しかし、アニメーションを用いた基礎学習の世界においては、そのパフォーマンスの基本となる部分をインターネットやCATV、DVD等が担い、祖父母は、孫たちの習熟が達成されるよう傍らに寄り添うことで、日々、成長を目の当たりにします。
 孫たちは、最も温もりを感じる存在に励まされ、喜ばれ、みずからの成長を実感します。
 こうして基礎学習の舞台は、家庭の中にも充実していきます。


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基礎教育支援動画インターネットサイト 『 もろやま 親子で学ぶ基礎学習 』
http://www.morotown.jp
~ こどもらの みようみまねや たすけぶね ~

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