毛呂山町人材育成基本方針

【策定の趣旨】

 

 現在、地方分権の推進や住民との協働による行政推進など、行政をとりまく環境が急激に変化している中で、地方自治体は新しい時代を迎えようとしており、その果たすべき役割は益々重要になっています。その様な中で、住民に最も身近な行政を担う町職員としては、自らの責任において、社会情勢の変化や住民ニーズに迅速かつ的確に対応していくことが求められています。

 そのため、職員一人ひとりが常に目的意識と高い意欲を持って自らの能力開発や知識・技能の習得などを図り、その能力を最大限に発揮することが必要とされています。さらに、組織は、自己啓発に取組みやすい職場の環境づくりや、自己啓発に取組む職員を支援するなど、組織としての総合力を高めていく必要があり、総じて、「人材育成」がこれまで以上に重要になってきています。

 その様な中で、町としても職員の能力開発等を進めるために体系的・計画的に取組む必要があり、その具体的方策として「毛呂山町人材育成基本方針」を策定致しました。

 今後は、この人材育成基本方針に基づき、各種施策の具体化を進め、順次実施していくことにより、職員の意識・能力の向上及び組織の活性化を図り、更なる住民サービスの向上に努めます。

 

 

【人材育成基本方針の目指すもの】

 

 1 戦略的・総合的な人事制度へ

 これまでにも人材育成については、職員研修の充実や適材適所の配置のための自己申告制度などが検討され、各自治体で人事・研修担当によって様々な取り組みがなされてきました。しかし、人事制度を人材育成に生かすという発想が不十分であったり、人事に関することは「聖域」という見方が依然として残っていたりしたため、人事管理の中心となる昇任、処遇、配置にかかわる制度やその運用については、ほとんど改革がなされてこなかったのが実情であります。

 近年ようやく民間企業で行われている人的資源管理という発想に基づいた戦略的・総合的な人事管理の必要性が認識されるようになってきました。それは、「事業の実現、組織運営にとって、人はその成否を左右する重要な資源である」という観点から人事制度を再構築し、人材の育成と活用を図っていこうとするものです。

 本町においても既に、自己申告書の導入や職員提案制度の実施、職員研修の改革など、人材育成のための取り組みをスタートさせております。しかし、それらは人事制度の部分的な改善の域を出るものではありません。今後、人事管理の中心といえる昇任管理制度を含めた総合的な人事制度の全面的な改革が課題であると言えます。

 本町には今、どのような人材が必要なのか。そのためには、職員の能力開発をどのようにするのか。今後、どのような人材を採用していくのか。また、職員をどのように活用し、意欲を引き出し、意識改革と組織の活性化を図っていくのか。これらを明確にした上で現在の人事諸制度を改革し、戦略的・総合的な人事制度として再構築していきます。

 

 2 個性ある人材をつくる

 厳しい財政状況の中で自治体間競争に生き残る「魅力あるまちづくり」とは、言い換えれば「個性あるまちづくり」だといえるでしょう。また、「個性あるまちづくり」のためには「個性ある政策」が必要であり、独自の政策をつくり、実行できる「個性ある人材」が不可欠となります。すぐれた素質を持つ人材を集めることはもとより、現在の職員の持っている能力を引き出し、個性を伸ばす能力開発を行い、すぐれた能力を持つ個性的な職員をつくらなければ、個性あるまちづくりを進めることはできません。

 また、今までの行政組織はいわゆるタテ型でした。タテ型の組織の中では何よりも秩序が重視されるため、職場内で活発な議論をするケースが少なく、決められた枠組みの中で型にはまった思考パターンで行動する人材が重宝されてきました。その結果、基本的に年功序列の人事管理が行われ、個性のない職員をつくる人事制度となってきました。

 昨今行政を取巻く環境は目まぐるしく変化し、過去の慣例や方法では対応できなくなってきております。そのため、住民サービスの向上のためには、良い意味で職員同士活発な議論や意見交換ができるように職員の積極性が重要となってきています。今後は、職員の意欲を引き出し、能力を引き出すためには、自分の適正・能力を生かせる仕事をし続け、自己実現することに価値を見出すスペシャリストの育成や、行政全般に幅広く能力を生かせるゼネラリストの育成等、人事の複線化を図り、今日の職員の意識に対応した「個性を尊重し、能力を伸ばす」人事制度の運用へと転換しなければなりません。

 

3 職員の行動指針となるものに

 人材育成の基本は自己啓発だと言われるように、職員の能力開発は強制されてできるものではありません。職員一人ひとりが「こういうふうに働いていきたい」「こういう職員になりたい」という具体的なイメージを持ち、その目標に向かって自発的に学習し、自己の能力開発に取り組むことが最も効果的です。

 その意味で「どのような人材が必要とされているのか」「自分をどのように育てていくべきか」を、職員にわかりやすく明確に示すことが必要です。この「人材育成基本方針」では、平成13年に制定した職員憲章をより具体化した本町が求める「職員像」を目指して、今後進める制度を具体的に職員に掲示し、行動指針となるようにします。

 

 

 

【新しい時代に求められる職員像】

 

 地方分権が現実のものとなり、自治体間競争の時代を迎えた今日、住民が町行政、そして町職員に対する期待も大きくなっています。それだけに職員に求められる資質も年々高くなってきています。

 過去、町の実施した政策課題は、国及び県により明確にされ、それらの課題に適した組織体制のもとで十分時間をかけ、慎重に検討し、確実に実施することで幾多の課題を解決してきました。また、優れた職員像としては、法令等の基準や手続きにより、正しく迅速に処理できる職員が優秀な職員像であったと言えます。しかしながら、地方分権の進む中、地方自治体は主体的に判断・決定し実行できる力をつけ、組織として高いパフォーマンスを発揮することが求められております。そのためには、組織の担い手である職員一人ひとりが住民ニーズを的確に捉え、新たな課題を見出し、その解決に向けて柔軟な発想で積極的に挑戦しなければなりません。言い換えれば、これからは、自らの責任において政策を立案し、説明責任を果たすことができる自立型の職員が求められています。

また、厳しい財政状況の中で、人件費の削減や簡素で効率的な行政組織の構築が必要であり、当町におきましては、平成17年度に見直しを行った第2次定員適正化計画に基づき、平成22年4月1日の総職員数を平成17年4月1日の職員数から目標を上回る42人、約14%削減しました。さらに平成22年2月に策定した第3次定員適正化計画においては、平成27年4月1日の総職員数を平成22年4月1日の職員数から13人、約5%削減する目標を掲げて、各種行財政改革に全力で取組んでおります。

 このようなことから、職員一人ひとりの事務執行能力の向上を図ることが急務となっており、少数精鋭が求められる中、「新しい時代に求められる職員像」を次のとおりとしました。

 

1 住民満足度の追求と使命感のある職員

 職員は、住民との信頼関係を深め、住民の信託を受けて住民のためにサービスを提供することが使命であり、常に住民の満足度の向上に全力で取組んでいく職員

 

2 仕事への情熱と事務事業の改善・改革に積極的に取組む職員

 厳しい財政状況の中で、コスト意識を持ち、費用対効果の的確な判断ができ、各種事務の効率化や合理化を目指して、創意工夫して事務事業の抜本的な改革に積極的に取組んでいく職員

 

 3 バランス感覚と柔軟性を持つ職員

 社会環境の変化が激しく、将来の予測が困難な時代であっては、時代の方向性を捉える鋭敏な感覚とバランス感覚を持ち、柔軟な思考をもって状況を打開していく職員

 

4 政策形成能力と戦略的思考を持つ職員

 地方自治体が自立的、創造的に地域経営を進めていくには、地域の課題が何かを的確に把握し、戦略的思考を持って状況を打開していく職員

 

5 総合的能力を発揮できる職員

 職務遂行にあたっては、職員の個々の能力を組織の力として集約することが必要であり、役職・職責に応じて、先見性、知的能力、対人能力、管理能力など総合的に発揮できる職員

 

 

 

【新しい時代に向けた人材育成施策】

 

 1 人を育てる職員研修

 地方分権の中で、地方自治の新時代に的確に対応していくためには、自ら決定し、自らの責任において、社会情勢の変化に柔軟かつ弾力的に対応し、地域間競争に勝ち抜いていけるよう体質を強化しなければなりません。

 そのためには、組織機構体制の強化はもちろんのこと、直接の担い手である職員の資質の向上を図り、個人が持っている能力や可能性を最大限に引き出していくことが重要になっており、組織的かつ体系的な研修制度が必要不可欠であります。

 町では職員自身が自発的に取り組む自己啓発、職場において上司、先輩等が仕事を通じて行う職場研修(OJT)及び日常の職場を離れて実施する職場外研修(OFFJT)を柱に積極的に人材育成に取組みます。

 

(1)自己啓発

 自己啓発とは、職員が自分に必要な知識や能力について、自ら認識し自らの意思を持って能力の向上を目指して学習することであり、職員の能力開発を進めて行くうえで最も基本的なことと言えます。

 そこで、能力開発に自ら取り組む職員の意欲を尊重し、主体的に行う自己啓発活動に対する支援等を充実させる必要があります。

 

◎自己啓発を支援する職場環境の構築

活力ある職場環境づくりを推進します。

 

◎研修参加による職務に専念する義務の免除制度の充実

自ら学び、学習する職員を支援するため職務免除制度を充実します。

 

◎職員提案制度の充実

政策あるいは事務改善等の職員提案制度を充実させることにより、職員の町政への参画及び問題意識や学習意欲の向上を図ります。

 

(2)職場研修(OJT)

 職場研修とは、職場を通じて行われる研修のことで、上司や先輩が事務事業を遂行しながら、報告や指示、助言等の機会を捉えて、その事務事業に必要な情報や経験等を計画的に教えることです。

 このことは、職員の能力開発にとって最も重要であることを認識し、事務事業遂行における目標設定を明確にした人事評価制度と併せた効果的な人材育成を行う必要があります。

 

◎人事評価制度を活用したOJTの推進

人事評価の面談等において、職員の能力及び意識の向上となる指導を実施します。

 

◎各職場でのOJTの推進

各職場において、常に職員の能力を引き出せるようなOJTを推進します。

 

(3)職場外研修(OFFJT)

 職場外研修とは、本来の職務から離れて行われる研修であることから、一定期間集中的に行うことが可能であり、職務を遂行する上で必要な知識・技術を体系的に計画することができ、非常に能力開発に効果的であります。

 また、他市町等の職員と交流することにより、相互に啓発し合う機会としても重要です。

 

◎西部五市町共同研修会との連携

 地方公務員としての能力向上のために、職場外研修の柱として、西部五市町共同研修会に積極的に参加し研修を実施します。西部五市町共同研修会では、職階層ごとの能力育成カリキュラムを基本に、時代の要請に適した選択研修を構成市町と連携のうえ効果的な研修を行います。

 

◎彩の国さいたま人づくり広域連合との連携

地方公務員として必要とされている知識や技術をより専門的に習得するために、彩の国さいたま人づくり広域連合主催の研修に積極的に参加します。

 

◎派遣研修

埼玉県への派遣や川越都市圏まちづくり協議会を通じての人事交流についても、職員の希望をとり積極的に派遣します。

 

2 人を育てる人事制度

 人材育成を推進するためには、全庁一丸となった体制と全ての職員が自らの立場と役割を自覚した取り組みが必要となります。

 このため、管理監督者をはじめそれぞれの職員が果すべき責務を明確にし、長期的な視野に立って、継続的、効果的に取り組む必要があります。

 

(1)人材育成型の人事評価制度の導入

 職員の能力や意欲を高めて組織の活性化を図るためには、日頃の業務を通じて発揮された職員の能力や成果を公平・公正に評価し、その結果を能力開発や処遇に適切に反映させる必要があります。

 このため、「能力評価」と「実績評価」からなる人材育成型の人事評価制度を実施します。

 

◎能力評価の実施

 職員が職務を遂行する上で発揮した能力を把握するために、能力評価を実施します。

 

◎実績評価の実施

 職員が取り組んだ業務の成果を把握するために、目標管理による実績評価を実施します。

 

◎評価基準の公表と本人評価・複数評価の実施

 職員の信頼と納得を得られるように評価項目及び基準を公表します。また、評価の実施にあたっては、職員自身が自己評価を行うとともに、複数の評価者による評価を実施します。

 

◎面談及び評価結果のフィードバックの実施

評価の納得性を高めるとともに、職員の業務の成果や能力発揮の度合い、今後の能力開発について話し合うために、評価者と被評価者の面談を実施します。また、そのために必要な範囲で評価のフィードバックを行います。

 

◎評価者研修の実施

客観的で納得性の高い評価が可能となるよう、評価者としての必要な能力の向上を図るため、評価者研修を実施します。

 

(2)適材適所の人事配置

 厳しい財政状況の中で、今後職員数は更に削減して少数精鋭での行政運営をしていかなければなりません。そのため、限られた人員で、住民の満足度の高い行政サービスを提供していくためには、職員一人ひとりが自己の能力を最大限発揮することが重要です。

 このため、職員の能力や適正、意欲や専門性などを活かした人事配置を実施し、職員の能力開発や能力活用に努める必要があります。

 

◎育成型人事ローテーションの推進

 若手職員については、幅広い能力や自己の適性の発見ができるように、採用後係長昇任までの期間に、様々な異なる分野を経験できるような人事ローテーションを実施します。中堅職員については、個々の適性を活かし、能力を最大限に発揮できるように、これまでの経験や意欲等を重視した人事ローテーションを実施します。

 

◎男女間格差のない人事配置の推進

 職員一人ひとりの能力を適正に把握し、先入観や偏見にとらわれない人事配置を推進し、女性職員の職域拡大や積極的な登用を図ります。

 

(3)能力実績重視の給与制度

 職務に対するモチベーションの向上、人材育成施策の効果的な推進を図るために、能力・実績を重視した給与制度の構築に取り組みます。

 

◎能力・実績を反映した昇給制度への移行

国の公務員制度改革の動向を注視しながら、能力評価・実績評価の結果を反映した昇給制度への移行を検討します。

 

3 人を育てる職場環境づくり

 人は、その置かれた環境に大きく影響を受けます。したがって、人材育成の取り組みで求められることは、職場の学習的風土づくりの職場環境が重要です。

 そのためには、職員それぞれが自分の責務を認識し、上司部下の信頼関係を構築しながら互いにモチベーションを高め合い、各所属はもちろん組織をあげて学習的職場風土づくりを推進します。

 

(1)職員の責務

 職員は、常に学ぶ意欲と問題意識を持って仕事に取り組むとともに、より良い組織づくりの醸成に努めなければなりません。

 

◎業務の向上意欲

 担当する業務に対し意欲と関心を持ち、調査、研究、改善などに心がけ、業務改善等の向上に努めることが重要です。

 

◎自己啓発意欲

 研修に積極的に参加するとともに、自らの能力開発を常日頃から積極的に取り組む必要があります。

 

◎自己の健康管理

自らの能力を十分に発揮するためには、心身ともに健康であることが必要です。自分の健康は自分で守ることを基本に、日頃から自己の健康管理に努めます。

 

(2)管理職員の責務

 管理監督者は、人材の育成を推進するうえで自分の役割の重要性を十分認識し、公私にわたり常に部下の能力向上のために効果的な手法を考えながら育成に取り組まなければなりません。同時に、日頃から職員との意思疎通を密にし、職員が能力・意欲を十分に発揮できる風通しのよい職場環境づくりにも努めなければなりません。

 

◎管理監督者としての言動

管理監督者は、町政の理念や組織運営を理解し、組織内の目標に向かって行動し、部下の模範となるよう努めなければなりません。

 

◎風通しの良い職場環境づくり

職員の能力開発にとって職場環境は大変重要な要素であることから、管理監督者は、誰もが働きやすい職場環境づくりを推進することが大切です。

そのため、日頃から職員との意思疎通を密にし、職員が能力・意欲を十分発揮できる風通しの良い職場環境づくりに努める必要があります。

 

◎部下の能力開発と育成指導

業務を通じて日頃から職員を育成指導することは、職員の能力開発にとって大きな意味を持ちます。管理監督者は、職員の能力開発・能力活用の観点から事務分担を決定したり、今伸ばすべき能力を見極めて、職員に対して的確に指導助言を行う必要があります。

 

◎職員の心身両面の健康管理

職員が心身両面にわたる健康を保持していくためには、日頃の健康管理が重要です。管理監督者は、定期健康診断の受診確認やストレスを抱える職員の早期発見に努めます。

 

(3)職員倫理の確立

 新しい時代に求められる職員像の実現のためには、常に住民から信頼される職員でなければなりません。住民の信頼を損なうことがないよう常に職員倫理の確立に努めます。

 

◎職員倫理確立のための啓発

総務課は、職員倫理の確立のための周知啓発に取り組みます。

 

 

毛呂山町人材育成基本方針

平成19年 2月 策定

 

平成23年12月 一部改訂

 

 


お問い合わせ 総務課
代表:049-295-2112   
mail: soumu@town.moroyama.lg.jp

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